サイバーエージェント(東京都渋谷区)が2月13日、国内動画広告の市場動向調査結果を発表。2022年の国内動画広告市場が推計5601億円(前年対比133.2%)に拡大したことがわかった。
若年層を中心としたショート動画人気で視聴時間増加
9回目となる今回の調査では、スマートフォン向け動画広告の市場規模を4621億円(前年対比132.7%)と推計しており、これは動画広告需要全体の83%を占める。ショート動画が若年層ユーザーを中心に支持されており、視聴時間が増加していることから、2026年には1兆円近い規模(9482億円)に成長すると予測されている。
コネクテッドテレビ向け動画広告は、前年対比157.0%と急伸し540億円が見込まれている。同調査は「動画配信サービスをコネクテッドテレビで視聴する生活様式が定着しつつある」と分析。その理由として、テレビ番組の再放送を「TVer」などの動画配信サービスで視聴するユーザーが増えていること、「ABEMA」がFIFAワールドカップの全64試合無料生中継を実施したことなどを挙げている。広告商品別にみると、大手動画配信サービスにおける「インストリーム広告」の需要が増加した。2022年の市場規模は2685億円とインフィード広告(2121億円)とほぼ同じ規模だが、今後も順調に成長を続け、インストリーム広告の市場規模は2026年に6711億円と、動画広告市場の過半数を占めると予測する。
メディアや広告主からの需要増、2026年の動画広告市場を1兆円超と予測
動画広告市場について、同調査では今後もインターネット広告市場全体の水準を上回る、高い成長率で推移すると予想。2023年には7209億円、2025年に1兆円超え、2026年に1兆2451億円に達すると予測する。
製品・サービスの認知から購買までを促進する動画広告について、ソーシャルメディアを中心に動画フォーマットを活用した広告主からの需要が増加。世界のメディアでもそのトレンドは加速しており、英オックスフォード大ロイタージャーナリズム研究所が発表した調査でも、TikTokやInstagram、YouTubeに今後注力していくと答えたメディアが増えている。
TikTok for Businessは、2022年の国内広告売上について、2021年より83%増加したとを発表、取扱業種が多様化していることを明らかにした。
動画コンテンツの形式や媒体の多様化に伴い、新しい広告フォーマットの開発や提供も進んでいる。同メディアでも既報の通り、YouTubeは2月からショート動画において、クリエイターへの広告収益分配をスタートした。
同調査は、デジタルインファクト(東京都文京区)と共同で、2022年10月から12月までの間、動画広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータや公開情報を収集。インターネットを通して配信される動画広告の年間広告出稿額を推計、市場規模予測を算出した。同発表の詳細はこちらから確認できる。