従来は個人情報を登録すれば会員記事が月5本無料購読できた

朝日新聞デジタルが無料会員制度を廃止、有料プランに一本化

メディアビジネス編集部

朝日新聞社は2022713日、「朝日新聞デジタル」の無料会員制度を廃止し、有料プランに一本化することを発表した。

5本無料→数字パズルも有料会員限定サービスに

これまで無料会員は、個人情報を登録すれば会員記事が月5本まで読むことができた。しかし、822日以降は有料プランに一本化される。また、数字パズル「数独」も有料会員限定サービスになる。ニュースレターや記者イベントの一部、および「マイタウン」は朝日ID会員には引き続き無料で提供する。「マイタウン」は都道府県から最大2地域の最新ニュースが自動で一覧できるアプリ版の機能。

これまで朝日新聞デジタルには、980円から利用できるサブスク会員と無料会員が設けられていたが、822日から無料会員制度を廃止し、同社のウェブサービスの共通ID「朝日ID会員」に統合する。無料会員の登録は88日に終了予定。今回の改定に伴い朝日ID会員を退会したいユーザーに対し、会員サポートページから退会手続きを行うよう告知している。

朝日新聞デジタルの総会員数は400万人超え

朝日新聞デジタルの会員数は約406万人(202112月時点)だが、有料会員に限ると約32万人(20205月末時点)とも言われている。国内大手紙のひとつである日本経済新聞電子版については、無料登録会員を含む会員数が5552529人なのに対し、有料会員はおよそ797362人(いずれも20221月時点)と数値の開きは大きい。同メディアでも既報の通り、日本の有料のオンラインニュースの利用者は10%と、世界の平均を大きく下回るという調査結果も出ている

デジタルへスムーズに移行している新聞社のひとつと称されている米New York Timesの電子版の有料会員数は760万人(2021年末)。同社は、2020年第2四半期に売上高で初めて電子版が紙を抜いている

朝日新聞社の2020年度の純損益は4419400万円の赤字だったが、20217月の購読料改定などが功を奏し、20223月期の連結決算は1294300万円と2年ぶりの黒字だった。

同発表の詳細はこちらにて確認できる。

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出版社や新聞社などのメディア事業者、製造業や小売業などのオウンドメディアを運営する企業向けに、総合コンサルティングサービス「MediaDX」の提供、システム構築、メディア運用など、事業立案からグロース・多角化戦略まで幅広く支援している。
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