デジタル関連事業、コロナによる収入減の補填に

米ニューヨークタイムズ、有料読者数が750万人を突破

メディアビジネス編集部

米ニューヨーク・タイムズ社は2月4日に発表した2020年第4四半期の決算報告書で、同社の電子版と紙を合わせた有料読者数は、2020年中に750万人を超えたことを公表した。同社メディアでは、特にデジタル関連の有料読者数が230万人増加という過去最大の伸びを記録した。

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2020年第4四半期において、電子版およびクロスワードや料理レシピのアプリを含むデジタル関連の購読者数は、世界中の注目を集めた選挙日近くに急増したこともあり約62万7000件の純増。その結果営業利益は8050万ドルと、前年同時期(7800万ドル)より3.3%増加した。

2020年にデジタル関連収入が紙を上回る

同社のデジタル関連の収入は、順調に右肩上がりを続けていたが2020年に初めて紙媒体を上回る規模へと成長、その他の収入減少を補填している。

2020年第4四半期の収入をみると、紙媒体の有料購読収入は2.9%減少。その要因のひとつに、同社はニューススタンドでの小売収入が減ったことを挙げている。国内のホームデリバリー定期購読料収入は2.2%増加している。 広告収入は1億3927万ドルと前年同時期に比べ18.3%減のマイナス成長を記録。デジタル広告収入は前年同時期に比べ2.3%減少、紙媒体の広告収入は同37.9%減少と激減した。

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購読者数1000万人超えを目指している

同社CEOのメレディス・コピット・レビアン(Meredith Kopit Levien)氏は決算報告書の中で「10億人がデジタルニュースを読み、1億人が英語版の購読料を支払うと予想されている」と言及。読者の大幅増加に自信を持っており、 2019年に発表した2025年までに購読者数を1000万人に伸ばすとする経営目標に向け着実に読者を増やしている。

同発表の詳細は、同社のプレスリリースで確認できる。

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出版社や新聞社などのメディア事業者、製造業や小売業などのオウンドメディアを運営する企業向けに、総合コンサルティングサービス「MediaDX」の提供、システム構築、メディア運用など、事業立案からグロース・多角化戦略まで幅広く支援している。
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