Googleが5月4日に「Ads Safety Report 2021(英文)」を公開。ポリシー違反により34億件以上の広告を停止または削除していたことを明らかにした。
560万件以上の広告主のアカウントを停止、検出回避手段もより巧妙に
57億件以上の広告を制限し、560万件以上の広告主のアカウントを停止した。また、広範または重大な違反があった17億を超えるパブリッシャーのページにおいて広告配信を停止し、6万3,000のパブリッシャーのサイトで措置を講じていた。
Google「Ads Safety Report 2021」より
同発表によると、「2021年も、悪意ある第三者がより巧妙に、かつ、より大規模に活動し」数千のアカウントを同時に作成するような不正操作や、クローキング行為や広告文の不適切操作といった技術などを使って、検出を回避しようとしていたことを確認。
広告主の身元確認や複数アカウント間での組織的な行為の特定などの取り組みにより、前年より3倍の広告主アカウントを強制停止したという。
信頼性を欠く文言の広告配信や収益化を防止するため、30以上のポリシーを追加・更新
Googleは「潜在的脅威が大きな問題となる前に対処していくために、広告ポリシー、専門家チーム、是正措置を支援する技術へ投資」しており、2021年には広告主とパブリッシャーに対し30以上のポリシーを追加・更新していた。これには、度重なる広告ポリシー違反に対応する違反警告や気候変動否定を助長するような主張の禁止などが含まれる。
2021年は、信頼性を欠くコンテンツに対する措置を強化。新型コロナウイルス感染症に関連する健康上有害な主張を訴えるページや、選挙への信頼や参加を損なう可能性がある明らかに誤ったページなど、Googleのポリシーに違反する50万以上のページで広告掲載を停止した。新型コロナウイルス感染症に関連する広告については、発生当初から1億600万件以上停止措置を講じているという。
ウクライナ侵攻における対応についても言及
同レポートは2021年のみを対象にしているが、「世界中の多くの人にとって最重要事項である」ことからウクライナ侵攻への対応についても言及。Google の提供するサービスにおいて、ウクライナでの戦争状態を利用した広告を掲載できないようにした。また、ロシアでの広告表示やロシアに拠点を置く広告主による広告の一時停止、Googleのプラットフォームにおけるロシア国営メディアの収益化の一時停止など、ロシアにおける経済活動の大半を一時停止する措置を講じている。
これまでに200万件以上のウクライナでの戦争状態に関連する広告を停止し、Googleのプラットフォーム上で60以上の国営メディアサイトからの広告を削除したという。