「訪問回数」、「滞在時間」、「読了率」などにも大きな差

ロイヤルティの高いユーザーが読む記事本数は、低いユーザーより5倍多い

メディアビジネス編集部

オランダのソフトウェア企業Smartoctoは11月5日、ウェブメディアの読者のうち、ロイヤルティ(Loyalty=サービスへの愛着心)の高いユーザーの数は全ユーザー中3.8%に過ぎないが、ロイヤルティの低いユーザーと比べてコンテンツの利用量が5倍近い、という調査結果を発表した。

ロイヤルティの高さで差が出る「記事の本数」、「訪問回数」、「滞在時間」、「読了率」など

同調査のデータは、同社がネットワークをもつ、世界各地の異なるビジネスモデルを持つ10のメディアから2019年5月に収集されたもの。同社はロイヤルティの高いユーザーを「習慣性の高い非常に熱心なユーザー」(habitually highly engaged readers)と独自に定義、ロイヤリティの高いユーザーとそうではないユーザーのデータを比較し分析した。

ニュースの閲覧状況については、ロイヤルティの高いユーザーはそうではないユーザーに比べて、1ヵ月で5倍以上の本数の記事を読み、ウェブサイトへの訪問数(セッション数)は約4倍多い。読了率も同様に、約60%に対し約45%と、約15ポイントの差がある。同社の別の調査では、3.8%のロイヤルティの高いユーザーが全体の16.2%のトラフィックを占めるというデータも算出されている。

平均して、ロイヤルティの高い読者は月に15本、ロイヤリティの低い読者は2.6本の記事を読んでいた
平均して、ロイヤルティの高い読者は月に15本、ロイヤリティの低い読者は2.6本の記事を読む

同調査では、ロイヤルティの高いユーザーはより有料の定期購読者になりやすく、広告主にとって信頼性の高いターゲットグループになりうるため、たとえ少数であっても、熱心なユーザーであり注意深くコンテンツを読む習慣がついているこのユーザー層に注目すべきだと報告している。

同調査は、同社のブログ(英文)内で確認することができる。Smartoctoは、複数の編集長経験者や元オランダの公共放送局デジタル責任者などで組織されたオランダの企業。編集データを解析するシステムの開発などを手がけている。

この記事の著者

メディアビジネス編集部

出版社や新聞社などのメディア事業者、製造業や小売業などのオウンドメディアを運営する企業向けに、総合コンサルティングサービス「MediaDX」の提供、システム構築、メディア運用など、事業立案からグロース・多角化戦略まで幅広く支援している。
おすすめの記事