米National Research Group(NRG)が12月17日、デジタル出版物の定期購読(サブスク)利用についての調査レポートを公開。ペイウォールや会員登録があるWebサイトへのクリックを避けると答えた人が約7割いることが明らかになった。また、GenX以下のサブスクユーザーのうち、6割以上が複数の定期購読を利用していることもわかった。
デジタル出版物の定期購読者の過半数は、毎日利用している
同社が発表したレポート「Succeeding With Subscriptions」によると、デジタル出版物のサブスク未経験者、または以前やっていたがやめた人の割合は、米国消費者の73%に達するという。「ペイウォールや会員登録が必要だと知っている場合、そのWebサイトへのリンクをクリックしないようにしている」と答えた人は約7割(69%)。「ペイウォールのせいでその出版社やWebサイトが嫌いになる」と答えた人は66%、支払いを避けるためにペイウォールを回避しようとする人が53%いることもわかった。別の質問では、40%がペイウォールを避けるために別のWebサイトのコンテンツを探すと回答している。
一方、デジタル出版物の定期購読者のうち、X世代以下では複数サブスク利用者の割合が6割を超える。5つ以上のデジタル出版物を購読するユーザーもミレニアル世代で17%、Z世代で12%いることがわかった。
調査対象のほぼ全員(92%)が、少なくとも1つのサブスクに毎週アクセスしており、毎日利用する人が過半数を占める。ただし、定期購読するデジタル出版物が1つだと答えた人に絞ると、約半数(46%)はアクセスが月に1回未満の「スリーパー購読者」だという。
アクセス率の低い「スリーパー購読者」は大きなリスク
同レポートでは、ユーザーを理解するための重要なポイントとして以下を挙げている。
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購読者数の増加には、初回購読者の獲得が不可欠である。
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ペイウォールを回避した人を「非購読者」として切り捨てるべきではない。
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「スリーパー購読者」は大きなリスクである。
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コンテンツ・セキュリティは、これまで以上に重要。
ペイウォールを回避したがる人は、そのサービスに支払う価値があると証明されれば、購読者になる可能性が高いと言及。そして、「収益の大部分をスリーパーに依存している出版社は、自社製品の価値を高める方法を模索し、購読者がそもそもスリーパーにならないよう、習慣的に頻繁に製品に関与するよう促すべきだ」と指摘。頻繁なエンゲージメントは、健全な購読者との関係の重要な指標であることに変わりはない、と述べている。
調査はNRGと米TOOLKITSが共同で、2022年8月に、18歳から64歳までの米国消費者2,509人に実施。NRGはマーケティング調査会社、TOOLKITSはメディアコンサルティング会社。
レポートはこちらから無料でダウンロードできる(英語)。