大日本印刷(東京都新宿区)は11月9日、出版社の書籍コンテンツをオンラインで編集・管理できるシステムを開発したことを発表した。アナログでは負荷の高い作業も含めた全工程がオンラインでできるという。
校了後の追加修正や重版時の確認もオンラインで完結
「DNP出版コンテンツ編集・管理システム」は11月中に提供を開始する。書籍制作全般のデジタル化とデータの一元管理に加え、校了後のDTPデータでの追加修正や重版時の奥付変更・確認など、アナログでは負荷の高い作業も含め、全工程をオンラインで行うことが可能だ。
同システムによりWebブラウザ上でできる主な作業は以下の通り。
・テンプレートとなる誌面データ(InDesign)への原稿(テキストデータ)の流し込み
・誌面データの文字修正・ルビ(振り仮名)入力などのテキスト編集
・誌面データ(PDF)への修正箇所の記入(赤字入れ)
校正作業のための出社不要、原稿紛失のリスクを回避
従来の紙の出力による校正では、校正紙の授受や校正作業のために出社が必要になり、その作業が属人化しやすいといった課題があった。同システムを利用することで、著者や出版社といったコンテンツホルダーの書籍制作の業務フロー効率化を推進でき、電子媒体での利用も前提としたデジタル化に対応したワークフローにシフトすることが可能だ。また、原稿の紛失やデータファイルの破損などのリスク軽減もできる。
今後、システム上で奥付などの必要事項を変更するといった最低限の作業だけで、再版・増刷に対応する機能を実装。オフセット印刷や、少部数印刷に対応するプリントオンデマンドとも連携する機能追加を行い、書籍制作から製造まで一貫したプラットフォームを実現する方針だ。オーディオブックへの展開やWebページの制作システム(CMS)との連携など、コンテンツの二次利用なども促進していくという。
同社は、雑誌総合紙面制作プラットフォーム「MDAM(エムダム)」やWordデータから組版を行う「DNPハイブリッド編集・制作ソリューション」などのサービスを提供しており、今回書籍向けのラインナップが加わった形だ。
同発表の詳細はこちらで確認できる。