書籍は堅調もコミックは大幅減、下げ止まらない雑誌

大手取次の年末年始の売上動向 雑誌、コミックなど前年割れ

メディアビジネス編集部

日本出版販売(日販、東京都千代田区)が1月6日、年末年始(2021〜2022年)の売上動向調査の結果を発表、合計の売上前年比は93.8%と前年割れしたことが明らかになった。

週刊誌やムックは前年を上回る

書籍は99.0%(数値は前年比、以下同)と前年を下回った。ただし実用・学参・児童書の3ジャンルでは前年を超えており明るい兆しが見える。

コミックは、好調だった前年(119.5%)の影響を受けて84.5%と大きく下落した。雑誌は93.8%と厳しい状況が続いている。月刊誌が87.0%と大きく下げた一方、週刊誌が101.7%、ムックは103.5%と前年を上回る結果となった。

大きく売上を伸ばした児童書、学習漫画や図鑑が好調

トーハン(東京都新宿区)も同日に、年末年始店頭売上動向を発表。合計の売上前年比は98.6%とこちらも前年割れだったことがわかった。

書籍は101.3%(前年比、以下同)。やはり児童書(116.2%)、学参・辞典(101.7%)が好調で、児童書の中では「学習漫画」「図鑑」が前年比120%と大幅な伸びを記録した。コミックは91.5%だった。前年割れが続く雑誌(95.9%)だが、ムックが107.0%と前年越え、高単価のNHK大河ドラマ関連銘柄が売上をけん引した。

新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が外出を控えた前年と異なり、帰省や旅行、ショッピングに外出するなど人の流れが増加した影響もあり、年始に売上が増加している。

トーハン調べ

(トーハン調べ)

調査期間はいずれも2021年12 月29日~2022 年1月3日で、対象軒数は日販1,607、トーハン1,519。同発表の詳細は日販はこちら、トーハンはこちらで確認できる。

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出版社や新聞社などのメディア事業者、製造業や小売業などのオウンドメディアを運営する企業向けに、総合コンサルティングサービス「MediaDX」の提供、システム構築、メディア運用など、事業立案からグロース・多角化戦略まで幅広く支援している。
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