データを活用してテレビの広告効果を「見える化」

CM連動型データ放送での「O2O2O」効果を検証、4地区11府県で

メディアビジネス編集部

博報堂DYメディアパートナーズ(東京都港区)が822日、4地区11府県でテレビCM連動型データ放送によるダイレクトCVの効果を検証する施策を行うことを発表した。エリアターゲティングにより視聴者の該当エリアにダイレクトに遷移することが可能だという。

視聴データやWebアクセスログと広告主のDMPに連動して分析

O2O2Oは「On air to online to off line」の略で、オンエア(テレビ放送)で情報を得た消費者をオンライン(インターネット上)と連携してオフライン(店舗)へと呼び込む施策のこと。同社の新施策「O2O2Oダイレクト」では、テレビCMに連動したデータ放送にあわせて2次元コードを活用し、広告主のキャンペーンサイトへ視聴者をダイレクトに誘引し、広告効果を検証する。

テレビCMを起点とした視聴データとWebアクセスログ、広告主が保有するDMPとの連動が可能で、コンバージョン分析、ユーザプロファイル分析、ジオマーケティングなど、「一連の効果検証やそれに基づいたマーケティング施策を精度高く実施できる」と同社は述べている。

効果検証の詳細

1.コンバージョン分析

テレビ視聴、データ放送でのアクション、HPへの来訪・予約、モデルルームへの来場に至る一連の視聴者行動を、視聴データ・Webアクセスログを活用して解析する。

2.ユーザプロファイル分析

データ・マネジメント・プラットフォーム(AudienceOne)を使用して、今回アクションにつながった視聴者のプロファイルを分析する。

3.ジオマーケティング

テレビに登録された郵便番号を視聴データにて取得し、能動的な反応をした視聴者のエリア分布を測定。エリアセグメンテーションデータと掛け合わせることで、ターゲット詳細、コンバージョンを計測する。

郵便番号をもとに視聴者をエリアターゲティング

施策のフローとしては、まず60秒のオリジナルCMで広告主の商品やサービスを紹介。CM中に自動表示されるデータ放送にて、テレビ受像器に登録された郵便番号をもとにエリアターゲティングを行い、視聴エリアによってデータ放送の内容を出し分ける。そして、データ放送に表示される二次元コードから広告主のキャンペーンサイトへと誘引し、反応した視聴者の特性や行動を分析する。


2021年8月に行われた中京テレビ放送(愛知県名古屋市)による名古屋エリアでのPOCでは、デジタル広告と比較してターゲット層に合致した効率的なサイト誘引が成果として認められたという。今回は、讀賣テレビ放送(大阪市中央区)、福岡放送(福岡県福岡市)、広島テレビ放送(広島県広島市)と連携して放送範囲を拡大。第1弾として積水ハウスの実施を予定している。

同発表の詳細はこちらで確認できる。

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出版社や新聞社などのメディア事業者、製造業や小売業などのオウンドメディアを運営する企業向けに、総合コンサルティングサービス「MediaDX」の提供、システム構築、メディア運用など、事業立案からグロース・多角化戦略まで幅広く支援している。
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