権利行使をしない結果、海賊版の被害を拡大させているとの指摘も

文化庁が海賊版対策をまとめたWebサイトを公開、初心者でもわかる内容に

メディアビジネス編集部

文化庁が61日、「インターネット上の海賊版による著作権侵害対策情報ポータルサイト」を作成、公開した。他人の著作物を許可なく無断でコピーして配信する海賊版対策の取り組みを強化する。

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海賊版の削除を要請するための手順や方法などを解説

ポータルサイトは以下のような内容で構成されている。「削除要請」は、インターネット上で海賊版コンテンツを発見したときに実務上まず、よく取られる手段だ。また、YouTubeでの削除要請や中国での削除要請などは「よくある質問」としてQ&A方式でまとめられており、参考になる。

著作権の基本と海賊版

著作権制度の基本的な考え方や海賊版についての情報。

初めての「削除要請」ガイドブック

削除要請の手順と方法が、初心者でもわかるようにまとめられている。インターネット上で海賊版の被害を受けていることに気づいたらまずはこちらを確認。

著作権侵害(海賊版)対策ハンドブック

削除要請の詳細など、海賊版対策専門家等の有識者から聴取した最新の海賊版対策のノウハウや知識を集約。中国、米国、ロシア、ベトナムについては、国ごとに具体的な法制度およびそれに基づく権利行使などを調査し、取りまとめられている。

マンガの海賊版被害の推計額は年間1兆円超

同庁によると、日本における海賊版サイトの総訪問数は月間約6億アクセス(20217月現在)。オンラインで流通する日本のコンテンツのうち、映画、出版、音楽、ゲームに関する海賊版被害額は、2019年時点で年間3300億円から4300億円以上というCODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)の推計データも出ている。

海賊版を利用してタダ読みされたマンガの年間額は1兆円以上(ABJ試算)。これは、2020年度の正規版のマンガ市場規模(約6126億円)を大きく上回っている。日本の権利者はアメリカなどと比較して権利行使をしない傾向にあり、結果的に海賊版の被害を拡大させているという指摘もあるという。

違法な海賊版サイトによる被害が大きいことを受けて、3月に文化審議会著作権分科会が相談窓口の新設を提言。文化庁では8月ごろに権利者支援のための相談窓口を開設することを予定しているが、まずは権利者が海賊版への対応を行う上で必要なノウハウ等をポータルサイトでわかりやすく発信する。

「インターネット上の海賊版による著作権侵害対策情報ポータルサイト」はこちら著作権の基本と海賊版初めての「削除要請」ガイドブック著作権侵害(海賊版)対策ハンドブックの詳細は文中のリンクから確認できる。

同発表の詳細はこちら

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出版社や新聞社などのメディア事業者、製造業や小売業などのオウンドメディアを運営する企業向けに、総合コンサルティングサービス「MediaDX」の提供、システム構築、メディア運用など、事業立案からグロース・多角化戦略まで幅広く支援している。
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