電通(東京都港区)は2月24日、2022年通年の日本の総広告費が7兆1021億円だったことを発表。1947年に同社が推定を開始して以降、過去最高を記録したことを明らかにした。
全体ではコロナ禍から回復も、雑誌はマイナス6.9%、新聞やテレビも前年を下回る
二桁成長を記録した2021年より4.4%プラス成長。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年の落ち込みから回復し、再び上昇気流に乗っていることが、グラフからも読み取れる。
日本の総広告費の推移
媒体別にみると、従来のマスメディアである「マスコミ四媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディア)」の広告費は合計2兆3985億円で、前年比97.7%と規模を縮小させた。特に「雑誌」の減少率が高く、前年より6.9%マイナスの1140億円。「新聞」は前年比96.9%の3697億円、「テレビメディア」は同98%の1兆8019億円と、いずれも前年を下回った。ラジオは2.1%のプラス成長、1129億円と雑誌に迫る勢いだ。
広がるインターネット広告市場、3年で1兆円増
「インターネット広告」は好調を維持し3兆912億円、前年比114.3%増と拡大。その市場規模は2019年からの過去3年間で約1兆円増加しており、広告費全体の成長をけん引し続けている。
そのうち、マスコミ四媒体由来のデジタル広告費は1,211億円で、前年比114.1%と二桁成長を維持した。このうち特に市場規模が大きいのが「雑誌デジタル」で610億円とほぼ半分を占めており、前年と比べても5.2%のプラス成長を記録した。「新聞デジタル」は同103.8%増の213億円。
そして、前年比140.9%増と大幅な伸びを示したのが「テレビメディアデジタル」で358億円。特にテレビ番組の見逃し配信や、リアルタイム配信サービスといったインターネット動画配信の広告費である「テレビメディア関連動画広告費」は前年より40.6%増加した。同調査では、コネクテッドTVの利用が拡大したことに加え、スポーツ中継やドラマなどの番組コンテンツの充実などにより動画の広告需要が高まったと分析する。
媒体別広告費2020年~2022年
同メディアでも既報の通り、2022年における紙の出版物の推定販売金額は前年比6.5%減を記録。電子出版と合わせた出版市場全体でも同97.4%と、4年ぶりのマイナス成長だった。
同発表の詳細はこちらから確認できる。