広告協会と英マーケティング会社WARCのデータによると、デジタル広告の収益は2011年から2019年の間に約2倍に、紙媒体への投資は同期間に半分以上減少したことが明らかになった。
1月14日にWARCのウェブサイトで示された同社データの推計によると、世界的に新聞・雑誌の広告費は約10年間減少傾向が続いており2020年は4分の1にまで減少、2021年はほぼ横ばいと見られている。英国内での紙媒体広告費のグラフをみると毎年1割前後のマイナス成長が続いており、2020年は前年比35.4%の大幅減を記録。一方デジタル広告は、2020年こそ前年比減(14.4%減)だったが、ほぼ10年間軒並み順調な伸びを示しており2021年は大きな回復が見込まれている。
FacebookやGoogleがニュースコンテンツへの支払いを表明しているとはいえ、やはり紙媒体の広告収入減に対抗する方法として最も注目されているのはデジタル定期購読(サブスクリプション)だ。デジタル出版プラットフォームPugpig(英国)が300社以上のクライアントを分析したところ、日刊紙の月間アプリユーザー数は2020年4月に79%増を記録、夏以降も増え続け11月までに視聴者はさらに74%増加していたことが明らかになった。
今後は、モバイル視聴者を引き付けることが課題となる。WARCのデータアナリストであるロブ・クラップ(Rob Clapp)氏は、ソーシャルメディアのプラットフォーム(32%)に比べて、ニュース情報コンテンツでのモバイル消費は4%に過ぎないことを指摘。成功の兆しが見える例として、質の高い読者に注目したタイムズ紙(The Times)、新コンテンツエリアを拡大したGQ誌やサンフランシスコ・クロニクル紙等を挙げている。
詳細はWARCのウェブサイト(英語)で確認できる。