ニールセン デジタル(東京都港区)が10月27日、消費者のマルチスクリーンの利用動向調査をもとにしたデジタルコンテンツについての分析結果を発表。30秒未満のSNS短編動画の利用者数が増加していることがわかった。
30代以下の6割以上がSNS上で動画を視聴している
SNS(Facebook、Instagram、Twitter)動画視聴者の60%が「30秒未満の短編の動画」を利用していると回答。2021年から7ポイント増加しており、最も多い「30秒以上の動画(66%)」に近づいている。「Instagram」にリール機能が追加されるなど各サービスでの機能追加によって、「短編動画視聴がSNS利用者の中で定着してきている」と同調査では分析する。SNSでの動画視聴機会が増えてきているが、若年層ほどその傾向は強く、30代以下では62%がSNS上で動画を視聴しているというデータも示されている。
SNS短編動画視聴者はテレビを観ながらスマホで視聴する
SNSで動画を利用する人は、複数デバイスを利用する傾向が高いことも明らかになった。インターネット利用者全体では43%の人が複数デバイスの同時利用経験があるのに対し、SNSで短編動画を視聴する人はその割合が60%に上る。複数デバイスの組み合わせでは、テレビを視聴しながらのスマートフォン利用が85%と最も多く、特に30秒未満の短編動画を利用者でその傾向が強いという。
同調査によると、短編動画を視聴する人ほどSNS内のおすすめ機能を活用する割合が低く、自分の気に入ったものを自分から探して視聴している傾向がある。そのため、「自分の好きなコンテンツを中心に視聴する短編動画視聴者は、各メディアに費やす視聴時間の分散化を促し、自分の興味に合わせてコンテンツを部分的に選んでいる」と分析。テレビとデジタルの両方を組み合わせて実施する広告キャンペーンの場合、消費者がどのようなタイミングでどちらのメディアに集中しているのかを考慮し、効率的にコミュニケーションを取るために、例えばテレビでは「音」で消費者の注目をひくのに対し、デジタルではターゲットの関心の高いテーマを設定するなど、広告に注目してもらう方法を考えることが一層重要になる、と述べている。
「ニールセン デジタル・コンシューマー・データベース2022」調査は2022年9月2日から6日までの間、スマホ、パソコン、タブレット、従来型携帯電話のいずれかのデバイスを通して月1回以上インターネットを利用している日本全国の16歳(高校生)以上の男女2,745人を対象に実施された(サンプル数は上記4デバイスからのインターネット利用者の人口構成比によって割り当て)。
同発表の詳細はこちらで確認できる。