全日空商事(東京都港区)が3月10日、空港内のデジタルサイネージ広告をネットワーク化した次世代広告配信サービス「TRAVEL MEDIA Airport Dynamic Ad Vision」を発表した。これにより羽田やセントレアなど国内6空港にデジタルサイネージ広告を一斉配信できるうえ、広告視認者の把握もできるようになるという。3月21日より運用を開始する。
1つの広告で全国6空港のビジョンへの一斉配信が可能に
すでにデジタルサイネージ広告を運用中の羽田空港に加え、九州5空港(長崎、阿蘇くまもと、宮崎ブーゲンビリア、鹿児島)および中部国際空港(セントレア)の出発階制限区域内などに65インチの大型ハイビジョンやデジタルサイネージを設置。今回のネットワーク化の導入で、1つの広告で6空港全32台に一斉配信できるようになった。これまで広告主は空港ごとに広告枠を購入し、素材を入稿する必要があったが、同サービスでは一括入稿が可能だ。
複数の空港への一括配信が可能なネットワーク配信広告枠に加え、空港ごとの「地域枠(ローカル枠)」を設定。到着地域のお土産、ホテルや空港から連絡する交通網といった、地域の観光やビジネスに関連する企業の情報発信をサポートする。各空港の出発階制限区域などで広告が流されることを生かし、空港利用者と親和性の高い商品・サービスの情報を、出発便や到着便と連動して提供できるのが強みだ。
設置したAIカメラで広告視聴者や通行者数を計測可能
また、デジタルサイネージに設置したAIカメラにより、サイネージ前の通行者数の計測や広告視認者を把握することも可能。そのデータを生かした空港事業者からの施設内商業エリアへのマーケティング支援や施設サービス向上が期待できるという。
「TRAVEL MEDIA」は同社がアフターコロナを見据え、旅マエ・旅ナカ・旅アトの各場面において旅行者の行動や態度変容を捉え、広告配信・分析ができる次世代広告配信ソリューションとして2021年11月にスタート。今後、国内のネットワーク提携空港を拡充し、旅行導線上のホテルや観光施設、空港と連絡する交通網などへもデジタルサイネージの設置拡大を図りたい考えだ。