Voicy(東京都渋谷区)が1月18日、音声発信のノウハウを公開した。会員登録者数は2022年12月時点で165万人超、平均聴取維持率は80%以上だという音声プラットフォーム「Voicy」だが、特に音声配信はリスナーに1日の生活習慣のなかに「ながら聴き」する時間を組み込んでもらうことが理想だと言及する。
有効なのはショート音声、配信日時を固定してリスナーの聴衆習慣化を促す
2022年に高視聴率だったVoicyの放送から分析した「音声配信 7つの心得」の概要は以下の通り。
- まずは3分話してみよう
すきま時間にながら聴きをするリスナーのニーズにもマッチする。Voicyは1放送15分のコンテンツが中心だが、リスナーにもっと聴きたいと思ってもらうためにも1放送15分以内のショート音声は有効だという。
- 機材や台本の用意はしなくてOK
声のトーンや間、思考の過程までも伝えられるのが声の魅力。
- 気まぐれな配信は避けよう
聴取習慣化を促すためにも、配信する曜日や時間を決めることを推奨。Voicyの人気パーソナリティの9割は時間帯を固定して配信している。
- プロ並みのトークスキルは不要!
リスナーが求めているのは飾らないリアルな声。(注)Voicyは収録時にあえて編集ができない設計になっている。
- 目の前のひとりを思い浮かべて話しかけよう
だれのための情報か見えてこないコンテンツは、流れてしまいがち。特に音声は、温度まで届けられる距離の近さが魅力のひとつ。
- 冒頭でチャンネルの “プレゼン” をしよう
放送の冒頭で自分自身やチャンネルについて紹介する習慣をつけることを推奨。リスナーは必ずしもスマートフォンを見ながら聴いているとは限らないため。Voicyでは15〜20秒ほどのフレーズを用意しているパーソナリティが多い。
- 配信後、自分の声を聴かないのはもったいない!
データの振り返りだけでなく自分自身で聴く振り返りも大切。8割以上の人気パーソナリティが自分の放送を聴いている。
編集部や担当者が自分の視点で話すのがトレンド
4大マスを中心に音声配信の取り組みが広がっている。Voicyでは2022年12月時点で82のメディアチャンネルが放送されているが、これは前年比6割増。話すだけで配信ができる音声は、鮮度の高い発信も可能だ。
メディアチャンネルのトレンドは「中の人見える化」で、現在85%以上のメディアチャンネルが採用している。これはシンプルな記事の読み上げだけではなく、担当者自身や話し手が自分の視点で放送する方法。2022年春に配信を開始した「リンネルラジオ」では、雑誌では伝えきれない取材の裏話やゲストを招いた回なども今後より増やしていく予定だという。2022年に聴かれた放送のランキングで、「ニュース・天気」カテゴリのトップは「ながら日経」。日経電子版の主要ニュースを毎朝10分で耳からインプットできるのが特徴だ。2位の「ヤング日経」は、学生・若手社会人向けのニュースを1日5本配信している。同発表の詳細はこちらで確認できる。