講談社は初めて電子書籍が紙の売上高を上回る

拡大する電子書籍市場、業界のカオスマップが公開された

マンガおよび電子書籍メディアを運営するロビンソン・クルーソー(千葉県)が2月24日、「電子書籍サービス業界のカオスマップ2022」を公開した。

Webストアとアプリサービスが混載する電子書籍業界

同社がカオスマップを作成した背景には、電子書籍サービスが漫画アプリを中心に急速に普及した現状がある。現在の電子書籍業界はWebストアとアプリのサービスが混在しており、同社によるとサービスごとにターゲットとなるユーザー層や取り扱うマンガのジャンルが異なる。そこでユーザーが自分の求める電子書籍サービスを見つけやすくなるようカオスマップを作成、一覧化した。

電子書籍市場の約8割を占める電子コミック

コロナ禍での巣ごもり消費の影響もあり、電子書籍の市場規模が拡大している。IT関連メディア事業を展開するインプレス(東京都千代田区)が2021年6月に実施した電子書籍の利用率調査では、2020年度の電子書籍の市場規模を4821億円と推計。これは2019年度(3750億円)と比べると28.6%増加している。そのうち市場規模の8割以上(83.0%)を占めるのが電子コミックだ。

同調査で電子書籍利用者に対し、利用している電子書籍サービスやアプリを聞いたところ、「LINEマンガ」が27.8%で最も高く、続いて「Kindleストア」(26.2%)、「ピッコマ」(23.8%)だった。上位はWebストアとアプリが混在しているのがわかる。

講談社が2月21日に発表した通期決算では、2020年12月から2021年11月までの売り上げ約1707億円(前年比17.8%増)のうち、電子書籍の売り上げは約690億円(同30.2%増)と大幅に増加。初めて紙の出版物の売上高を上回ったことが明らかになった。

「電子書籍サービス業界のカオスマップ2022」についての詳細はこちらで確認できる。

おすすめの記事