電子書籍取次のメディアドゥ(東京都千代田区)とトーハン(東京都新宿区)が10月15日、電子書籍をNFT(非代替性トークン)として提供することを発表した。
「売買可能な電子書籍」が「紙媒体」についてくる
世界文化社(東京都千代田区)の男性向けファッション雑誌「Begin」の2022年12月号「NFTデジタル特典付き特装版」を購入すると、Begin本誌の過去の連載をまとめた『“ナウ”のトリセツ』電子書籍版を、閲覧だけでなく保有証明・売買が可能なNFTデジタル特典がついてくる。
特典付き雑誌購入者が出版物に添付されたカード上の16桁のギフトコードを自身のデバイスで読み込むと、直接NFTマーケットプレイス「FanTop」上でNFTが発行され、自身が保有していることが証明できるデジタルコンテンツを取得できるという仕組みだ。
マーケットプレイス上であれば消費者間で売買可能
NFT化された電子書籍は「FanTop」のアプリ内でNFTを保有するユーザーだけが閲覧可能な「保有者限定コンテンツ」として提供されるが、ユーザーにとっては「読み終わったら誰かに売れる電子書籍」であり「読み終わった人から買える電子書籍」だ。NFT化された電子書籍の売買が行われるたびに出版社や著作者などの権利者にも一部収益が還元される。データ保有の証明・移転が可能なNFTの特性を生かしたこの取り組みについてメディアドゥは「双方にプラスな取り組み」だと言及。フィジカルのアイテムである紙の出版物にNFTをつけることで、出版物の付加価値向上と書店の来客増を目指す。
「FanTop」は、2021年10月に開始したメディアドゥが運営するNFTマーケットプレイス。2021年3月に全国約5,000の書店と取引があるトーハンと資本業務提携を締結したメディアドゥは、「FanTop」で発行できる「NFTデジタル特典」を紙の出版物の特典として全国各地の書店で流通させることを明言。第1弾コンテンツとして、紙の出版物の特典として付いてくるギフトコードを読み取るとFanTop内で楽しめるデジタルファンアイテムがもらえる施策を、扶桑社と主婦の友社の3タイトルで実施していた。
同発表の詳細はこちらで確認できる。